自己破産よくあるQ&A - 基礎知識編
<自己破産とは、どのような制度ですか?>
自己破産とは,金融(サラ金)業者からの借金の額が多くなったり,クレジットやローンで買い物をしすぎてしまったりして,あなたの財産や収入だけでは,すべての債務(借金)を返済することができなくなった場合に,裁判所の手続で,あなたの全財産をお金に換えて(換価),そのお金をすべての債権者に対して,公平に配当(支払)して,債務を清算する手続です。
破産手続において清算される債務は,サラ金業者やクレジット会社などの金融機関からの借金だけでなく,勤務先,知人・親族からの借入れなど,あなたが支払わなくてはならないすべての債務が対象となります。
したがって,破産の申立書とともに提出する債権者一覧表に,すべての債権者の名前と債務額などを記入しなければなりません。
また,換価すべき財産には,一定の額を超える現金や預貯金,不動産,自動車,保険の解約返戻金や将来受け取ることのできるはずの退職金などが含まれます。
破産の申立書とともに提出する財産目録に,これらの財産を記入する必要があります。債務者自らが破産の申立をする場合のことを「自己破産」といいます。
<同時廃止とはどのような手続ですか?>
同時廃止とは債務者の財産が一定の金額に満たない場合に、その財産の換価、債権者への配当をすることなく、破産宣告と同時に破産手続を終わらせてしまうことです。
土地、建物などの不動産を所有している場合であっても、その不動産の時価よりも相当多額の担保権(抵当権など)が設定されている場合は、同時廃止が認められます。
なお、会社などの法人についての同時廃止は認めていません。また、法人の代表者や個人の事業者についても、原則として、同時廃止は認めていません。債務者にある程度の財産がある場合は、裁判所が弁護士の中から破産管財人を選び、この破産管財人が財産の換価、債権者への配当をした後に破産手続が終わります(管財事件)。
<自己破産宣告を受けるとどのような不利益がありますか?>
法律上や社会生活上、次のような制約を受けます。資格制限として、株式会社や有限会社の取締役、その他一定の職業(警備員・保険外交員・宅地建物取引業者・弁護士・司法書士・公認会計士など)につけなくなります。
ただし、免責決定が確定すれば、この制約は解除(復権)されます。なお、あなたが破産者となったことを本籍地役場に通知します(ただし、戸籍には記載されることはありません)。
また、選挙権や被選挙権を失うことはありません。破産宣告によって、経済的な信用を失うことになりますので、取引などで不都合が生じることが考えられます。
破産宣告は、債権者に通知をするとともに、官報(国が発行している新聞のようなもので、図書館などで閲覧ができます。)にその事実が掲載されます。
管財事件の場合は、破産宣告を受けると、破産者の財産は、原則としてすべて裁判所が選任する破産管財人によって管理されることになり、自由に使用したり処分したりすることができなくなります。
また、破産者は、破産手続が終わるまで裁判所の許可を受けずに転居することができず、破産者あての郵便物はすべて破産管財人が中身を検査することになります。破産管財人の仕事に協力しない破産者は、刑罰を受けることもあるし、身柄を拘束されることもあります。債務者の財産が一定の金額に満たない場合に、その財産の換価、債権者への配当をすることなく、破産宣告と同時に破産手続を終わらせてしまうことです。
土地、建物などの不動産を所有している場合であっても、その不動産の時価よりも相当多額の担保権(抵当権など)が設定されている場合は、同時廃止が認められます。なお、会社などの法人については同時廃止は認めていません。
また、法人の代表者や個人の事業者についても、原則として、同時廃止は認めていません。債務者にある程度の財産がある場合は、裁判所が弁護士の中から破産管財人を選び、この破産管財人が財産の換価、債権者への配当をした後に破産手続が終わります(管財事件)。
<自己破産宣告を受けると、借金はなくなるのですか?>
自己破産宣告(同時廃止)の決定がされると、自己破産手続きは終了しますが、あなたの債務が消滅するわけではありません。
免責を認める決定(免責許可決定)が確定することで初めて、借金を返済する責任が免除されます。
免責とは、誠実な破産者が経済的に再スタートできるようにする制度です。
<自己破産の免責決定ってなに?>
一般の方はよく破産の申立てをして破産手続開始決定を受ければ、借金がなくなると思っています。
しかし、実際は免責決定を受けて初めて借金がなくなるのです。
したがって、自己破産をする最終的な目的はこの免責決定を得ることであると言っていいでしょう。
この免責決定が確定すると、復権、といって、債務者は破産手続開始決定のない以前の状態に戻り、公私の資格制限も解かれて全く普通に生活することができるようになります。
この免責申立ての期間は同時破産廃止決定がなされた場合は、廃止決定が確定(官報公告より2週間)してから1ヶ月以内に行わなければいけません。
<免責は誰でも必ず受けられますか?>
免責の目的は、誠実な破産者に経済的な立ち直りの機会を与えることです。
したがって、あなたが誠実でない行いをした場合や立ち直る努力をしない場合には免責されないこともあります。免責を受けられない事由(免責不許可事由)には、次のものがあります。
・自分や他人の利益のために債権者に害を与える目的で、自分の財産を隠したり、その価値を減少させた場合
・浪費やギャンブルなどにたくさんのお金を使って借金を増やしたような場合
・クレジットカードで買物をし、すぐに、安い値段で業者などに売り払ったり、質入れをしたりした場合
・既に借金を返すことができない状態にあることを隠してお金を借りたような場合
・嘘の事実を書いた債権者名簿を、破産や免責の申立の際に裁判所に提出したり、裁判所に自分の財産について嘘を言ったような場合
・氏名や生年月日等を偽って借入れをした場合
・免責の申立前10年以内に免責を受けたことがある場合
<免責されない債権もあるのですか?>
税金・健康保険料・年金、罰金、故意の不法行為による損害賠償債務は免責の対象となりません。
また、債権があるとわかっていながら債権者一覧表に書かなかった債権についても免責の対象とはならないので、債権者一覧表を書く前にはきちんと調べることが必要です。
<保証債務も債権者一覧表に記載するのでしょうか?>
あなたが誰かの保証人になっている場合は、その保証債務を債権者一覧表に記載する必要があります。
<破産申立をすれば、債権者からの取立ては止まりますか?>
申立後に申立人から事件受理票を送付(郵送)された債権者は、貸金業規制法によって取立てが規制されます。
<借金の理由によって自己破産を申し立てることは意味がないのですか?>
自己破産の最大の目的は借金の免除を受けること(=免責決定を得ること)です。免責不許可事由が著しい場合は、確かに免責されない可能性が高いと言えます。
しかし、大手貸金業者のほとんどは、自己破産の申立てがあった段階で取り立てを止めます。業者が取立てを止め、それから督促を受けることなく無事に5年間が経過すれば、商法が定める消滅時効が完成しますので、免責決定を得た場合と同様に借金を支払う必要がなくなります。
個人再生を行っても債務の返済が不可能と思われる方については、免責不許可事由があろうとも自己破産を申し立てる以外に方法はないと考えます。
<自己破産申立の費用はいつまで準備すればいいのでしょうか?>
一口に自己破産申立費用と言っても、実費(予納金や印紙・切手代)部分と報酬(着手金、報酬金)部分に分かれます。実費部分については、自己破産申立までの間に準備していただきます。
報酬部分については、多くの司法書士・弁護士は事件処理終了後の分割払いにも応じているようです。
<どのくらいの借金があれば自己破産ができるの?>
自己破産の申立てをするには破産原因が必要です。
この破産原因とは、つまり支払不能状態にあるということです。したがって、自己破産の申立てをして、裁判所に、申立人は支払不能の状態である、と認められることによって破産手続開始決定の決定がされることになります。
そして、この支払不能とは、債務者が弁済能力の欠乏のために即時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができない客観的状態、をいうとされ、弁済能力の欠乏、履行にある債務の弁済不能、支払不能が継続的・客観的である、この3つの要件が必要です。
支払不能かどうかの判定は、その人の収入・資産状態・社会的地位によって大きく異なってくるのは当然ですが、月収20万円前後の一般サラリーマンの場合は、クレジットやサラ金(金利30%程度)からの借金の総額が350万円~400万円であれば、月々の支払が8万円~10万円になりますので支払不能状態といえるでしょう。
<自己破産をするとブラックリストに載ってしまうの?>
自己破産をすると、信用情報機関にいわゆるブラックとして登録されてしまいます。この登録機関は、信用情報機関によって多少の違いがありますが、およそ5年~10年です。このブラックリストに登録されると、その期間は銀行やサラ金からお金を借りたり、クレジット会社からクレジットカードの発行を受けることが困難となります。
しかし、最近は、自己破産をすれば他の業者からの請求が止まり、返済に回せるお金ができることを逆手に取って、新たに融資をする悪質業者が出てきています。
破産手続開始決定に回数制限はありませんが、前回の免責から7年経過していないと免責不許可事由となりますので、くれぐれも一度自己破産をしたならば同じ過ちを繰り返さないようにして下さい。
<自己破産をすると銀行取引はできなくなるの?>
自己破産をすると当然ブラックリストに登録されてしまいますので、銀行から融資を受けることはできなくなります。だからと言って、銀行や郵便局に預金をしたり公共料金の引き落としまでができなくなるわけではありません。
<自己破産をすると選挙権や職業は制限を受けるの?>
自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。
しかし、破産者には資格制限があります。弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・宅地建物取引主任者・株式(有限)会社の取締役・警備員・生命保険の外交員など、この資格や職種に就いていた人が破産をすれば、その資格や職を失うことになりますが免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。
<自己破産の全ての手続が完了するまでにどのくらいかかるの?>
自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ半年程度です。
しかし、1999年4月から東京地方裁判所においては弁護士が代理人となって申立てる個人の破産申立てに関して、即日面接、を採用しています。
これにより申立て当日あるいは翌日から3営業日以内に裁判官が弁護士のみと面接をして、問題がないと認められる場合は、即日破産手続開始決定を行うというものです。即日面接は、現在のところ代理人として弁護士が就任している自己破産に限られていますので、債務者本人による自己破産の申立てには適用はありません。
即日面接を利用した同時廃止事件の場合は、全ての手続きが終了するまで3ヶ月程度で済むので、非常にスピーディーといえるでしょう。
<外国人でも日本で自己破産できますか?>
平成12年の破産法改正により、外国籍の人であっても支払い不能状態で免責が認められない理由がなければ、日本人と同じように自己破産することが出来ます。
ただし、外国にある財産も処分の対象となりますので、外国に財産がある場合はその財産についても提出書類に記入・説明が必要になります。
さらに日本以外にも債務がある場合、外国の債権者にも配当を受ける権利がありますので、そちらについても債権者リストに記入・説明が必要になります。
<交通事故の損害賠償や、離婚の慰謝料等も免責されますか?>
「免責の決定」とは、「破産手続開始の決定」より以前に発生した債務の支払い義務を免除する事です。
ここでいう債務は、借金、に限らず、交通事故などの不法行為(故意・重大な過失による不法行為は除く)に基づく損害賠償債務や慰謝料債務も含まれ、原則として免責されます。ですので、免責が決定すればこれらの支払い義務も免除されることになります。
<滞納している年金、税金も免責されますか?>
税金や健康保険の保険料などは、免責の対象外です。
納税は憲法で規定されている国民の基本義務のため、「破産法」でも免責の対象外とされています。
健康保険料についても、国民がそれぞれ資金を出し合って支えているものですので、支払いが免除されません。ですから、免責が認められてもこれらの支払い義務は無くならないのです。
<自己破産すると一生クレジットやローンの利用はできなくなりますか?>
破産宣告がされると官報に公告され債権者にもその旨が通知されます。
また、信用情報機関にも、そのことが事故情報として登録されます(一般にブラックリストに載るといった状況になります。)ので、破産宣告後は銀行などの金融機関からの借り入れやクレジット会社のカードを作り利用することはできなくなります。
この期間は、 だいたい7年ぐらいではないかと思われます。この期間を過ぎれば、またクレジットやローンを利用することができるようになります。
ただし、この期間は法律的なものではなく、それぞれの金融機関の会社内部の規定に基づくものなので、いつから利用できるかは実際に申し込んでみないとわからないことになります。
<破産宣告したことが新聞に載るって本当ですか?>
破産宣告が載るのは通常の新聞ではなく、官報という国で発行される特殊な新聞に載ることになります。
しかし、普通の書店では購入することはできませんし、一般の人には縁がないものなので、官報から自己破産をしたことを知られることはほとんどないと思われます。
<自己破産すると戸籍・住民票に記載されるのですか?>
自己破産は戸籍および住民票には記載されません。
ただし、本籍地の市町村役場の破産者名簿に記載されます。破産者名簿は破産者でないことの身分証明書を国が発行する際にチェックするための名簿であり、一般の人が見ることができるものではありません。
なお、免責許可の決定(復権)により抹消されることになり、抹消後は破産者でないことの身分証明書を請求することができるようになります。
<直前に借り入れをしてしまったのですが自己破産することができますか?>
自己破産の申し立て直前に借り入れをしていて、1度も返済していない場合には債権者に対する詐欺罪に当たる可能性があり、免責が受けられないことがあります。
<ローンで買った商品を売ってしまったのですが自己破産できますか?>
ローンで買った商品をローンの途中にもかかわらず売ってしまった場合は債権者に対する詐欺罪に当たる可能性があり、免責が受けられないことがあります。