自己破産と家族と人間関係について
<借金をする際に保証人となってくれた人にはどのような影響がありますか?>
免責の効果は保証人には及ばず、保証人の支払義務はなくなりません。
<家族に内緒にしたまま自己破産することは可能でしょうか?>
家族からお金を借りている場合は、家族と言えども債権者ですので、裁判所に債権者として届け出る必要があります。結果、裁判所から家族に通知が行きますので、自己破産することが知られてしまいます。自己破産申立てにあたって、虚偽の債権者一覧を提出することは免責不許可事由になりますので、家族からの借り入れがある場合、これを隠すことはできません。家族からお金を借りているのでない限り、家族が直接破産手続に関与することはありません。しかし、裁判所にもよるでしょうが、自己破産にあたっては同居の家族の給与明細、銀行通帳等の提出を求められますので、家族の協力が必要になるでしょう。結局家族に全てを話すことになります。また、家族の無理解(夫が生活費を入れない、夫が稼いだお金を妻が浪費する等)が自己破産の原因になっているケースも少なくありません。そのようなケースでは、破産をしても、家族の協力が得られなければ、また借金を重ねる結果になってしまうでしょう。
<妻が夫の連帯保証人になっています。夫が自己破産申立をして免責決定が確定した場合、妻も借金を支払う責任を免れるのでしょうか?>
破産法第253条2項により、主債務者の免責は、連帯保証人の債務には全く影響を与えません。従いまして、妻は残った借金を支払わなくてはなりません。
<自己破産をしたことは周りのみんなに知られてしまうの?>
自己破産をすると、周り近所にその事実が知られるのではないかと心配する方が多いのですが、そのような心配はまずないといっていいでしょう。破産手続開始決定を受けたからといって戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の就職や結婚などに影響が出ることはありません。しかし、破産者の本籍地の市区町村役場の『破産者名簿』には記載されますが、これは第三者が勝手に見ることはできませんし免責決定を受けると破産者名簿からも抹消されます。また、破産手続開始決定は官報に掲載されますが、一般人が官報などを見ることはまずないですし裁判所から勤務先の会社に連絡がいくようなこともありませんので、会社をクビになるようなことはありません。
<夫が破産したら妻の財産も処分されますか?>
夫と妻の財産については、「夫婦別産性」が採用されています。
・結婚前から所有している財産
・結婚後に妻が自分の名義で得た財産
これらは固有の財産として扱われ、処分の対象外となります。しかし、妻名義の貯金や有価証券などがあっても、実際は夫が得た収入を税金対策、破産対策のために妻の名義としていると見なされた場合はそれらも破産による処分対象になります。ただし、収入のない専業主婦だった場合でも家事・育児等で財産の形成に貢献していると言えますので、妻の貢献度によって破産対象になる割合が決められることになります。
<夫が自己破産したのですが、私はクレジットカードを作れますか?>
自己破産は、あくまで申立人本人の問題ですので、いくら夫婦と言っても妻にまで効力は及びません。夫の借金の保証人になっていたため一緒に自己破産した・・・等でない限り、クレジットカードは問題なく作成できます。
<借金のある夫と離婚したら、私に借金の責任はなくなりますか?>
保証人でない限り、結婚・離婚に関係なく、いくら配偶者といえども借金の責任は本人にしかありません。つまり、離婚などしなくても借金の責任も支払い義務も元々ないのです。
<借金を理由に夫と離婚できますか?>
夫(もしくは妻)がサラ金から借金をしたからといって、それだけを理由に離婚することは出来ません。民法が定める離婚原因(不貞な行為、生死が3年以上明らかでない、強度の精神病など)に該当していない場合、よほどのことがない限り離婚訴訟を起こしても勝てないと言われています。もちろん、夫(もしくは妻)が離婚に応じれば離婚は可能です。
<自己破産すると家族や子供に影響はあるのですか?>
法律的な影響はまったくありません。親の自己破産が子供の進学、就職、結婚などに影響することはありませんし、家族への影響もまったくありません。